これを朝の10時ぐらいから始めて、途中、立ち読みやちょっとお茶を1杯とかやりつつ、疲れない速度で歩いて、陸前落合駅着は午後3時すぎぐらいだったかな。そこに住んでいるのでなければ、陸前落合駅とか北山駅とかには、普通あまり降りないと思う。でも、そういう、自分とほとんど接点のない駅に、お墓参りとかの強い目的を持たずに、まったく普通に降りてみる。もしかすると、もう一生歩くことはないのではないかと思える路地裏をブラブラ歩いていると、フワフワ飛んでいるモンシロチョウを、古い捕虫網を振り回して一生懸命追いかけている少女とか、背中にふとんたたきを斜めにさして、死に物狂いに三輪車をこぐ少年とか、目があったとたんニコニコ笑いながら遠くの坂の上からかけ降りてきて、なにごとかと身構える僕の脇を、風のように通りすぎた青年とかに出会うことができる。ううむ、お散歩のことを思い出していたら、最初書こうと思っていたことが、どうでもいいことのように思えてきてしまった。私を取り巻く様々な出来事や状況のほとんど大部分は、どうでも良いことなのかも知れないな。時間はきちんとすぎていって、子どもたちはそれぞれちゃんと人間をやっている。実はそういうことがもっとも大切なことだったのかも知れないなと、思う。