趣味が多いのではなくて、僕にとって、これらの道具は「移動する」という一つの趣味のさまざまなヴァリエーションでしかない。どこかに行って何かするのではなく、どこかに行くこと自体が好きなのだということに気付いたのは、モーターサイクルに乗り始めたころかなあ。移動している間は退屈でないのに、目的地に着くと、すぐ帰りたくなるのはなぜか、考えてみたら、わかったの。移動すること自体を楽しむのなら、目的地はどこでも良いのだよね。自分の家の周りを枝道だけでちょっと回ったり、スーパーマーケットからの帰り道を遠まわりにするとか、旧市内のガード巡りをしてみるとか、そんなことが、僕は好きだ。考えてみると、こういう楽しみは、中学から10年ほど続いた列車通学に、その原点があるのではないかと思うのね。移動している間、その状況を楽しむ様々な方法を見つける訓練。
4月から、お姉さんは、高校生になって、今までよりは少し長い通学が、始まる。楽しくやろうな。