平成13年1月27日

 去年、あなたの家には、サンタクロースが来た?僕の家では、もう来ないんじゃないかという気配が濃厚だったのだけれど、うふふ、ちゃんと来た。23歳と19歳の娘たちが、朝起きてみると枕元にプレゼントがあって、あ、サンタクロース来たんだなと、少しほっとするような、ちょっと申し訳ないかなというような、複雑な顔で、部屋から出てきた。でも、そんなことはあたりまえだ。あなたたちは、この1年、一応、良い子どもたちではあったのだからね。で、今回は、何と!お父さんとお母さんの枕元にも!プレゼントが!置いてあったのだ!
 僕らは親になってからもうだいぶたったので、サンタクロースのことなんかすっかり忘れてしまっていた。だから、朝起きて顔を洗いに行って着替えをし、布団をたたみに戻ってみて、ふと、枕元に、きれいな包みがあることに気づいたときには、ちょっと動揺しましたね。「何と!お父さんのところにもサンタクロース、来ちゃったようだぜ!」「あら!お母さんにも来てる。」。まったく、どういうことなの。私たちは手を取り合ってうろたえまわりました。こんな言い方へんだけれど、でも、うろたえて、踊りまわるというような感じ。そして、それを見ていた娘が、「あなたたちも、今年1年、良い子どもだったんじゃないの。」と言うのね。ちょっと、泣くよね、こうなると。
 サンタクロースが、実際にいるかどうかなんてことは、本当は、どうでもいいことなのだ。ただ、彼をめぐって、たとえば、このような状況が無理なくおこり、そして、それは、彼がしたことなのだということを、肯定的にその集団が楽しめる生活を持っているかどうか。それが、彼がいるかどうかという問題の、正しい答えを考える、大切なヒントなんだと思う。ううむ、お話の本をどのぐらい読んでいるか、なんてことが、こういうときにきいてくるのかな。