平成12年6月24日

 季節がら、雨の日が続く。子どもたちとの活動がある日は、まず天気が気にかかる。でも雨は、僕ら大人の思惑などとは関係なしに、降る。本当は動物園に行く予定なのですが、雨が降ったら美術館に行って何かできませんか、という問い合わせが、だから、この時期けっこうある。子どもたちと一緒にやる作業を考えるとき、よほど意識的に考えないかぎり、最近の大人は、自然と、全体の流れを管理しやすく、後始末に手がかからないようなやり方を、組み立ててしまうことが多い。いや、子どもの安全と健康が心配なのだ、という人もいるけれど、だから、それって、様々面倒になりそうなことは事前に避けるってことなのではないのかなあ。普通、僕たちの毎日の生活は、雨が降ろうが、槍?が降ろうが、ほとんど同じようにすぎてゆく。だから、普通通りやればいいのに。
 できるだけ普通に、予定していたことを、雨の中でやってみる。すると、様々、面白いことがおこる。雨降りの中で、普通のとおりのお散歩をしてみたりすると、そうか、冒険や探検は、ごく普通のこんな場所にもあったのだなあ、と思える。匂いが違うとか、色がきれいだとか、肯定的なことだけでなく、いやはや、僕の自慢のカッパは、こんなにすぐ雨がしみてしまうのだ、とか、靴下のずり落ちをなんとかしたい、とか、否定的なことも含めた経験が展開される。でも、子どもたちと一緒にする作業のそもそもの目的は、様々な経験を積み重ねることだったはずで、だとすれば、こっちの方が、晴れて何事もなくすぎる活動より、ずっと面白い。作業の最後に、お風呂屋さんなんかになだれ込んで、体を温め、着替えをするっていうのを忘れなければ、雨の日に外で遊ぶことは、なかなか捨てがたいことなのだがなあ。