ま、誰が描くのでもいいのだけれど、僕は、トンボの描き方、よくわからないのよ。トンボって、そんなにしょっちゅう描くもんじゃないから、よくわからないのは普通だと思う。とは言え、なんとかしなくてはならないな。

そうこうしているうちに、その絵を描きたい人は、いったいトンボの何を描きたいのかが、だんだんはっきりしてくる。飛んでいるところなのか、標本のようなトンボなのか、トンボ好きの私なのか、実は、トンボが飛んでいるまわりの風景だったのだ、とかね。そこでね、やっと絵を描くという実際の作業が始まるわけよ。
こういう風に考えてみると、絵を描くという作業の中で、実際に紙の上に絵の具で絵を描くという部分は、たぶん、一番簡単で楽しい時間なのだということがわかってくる。絵を描くためにすることこそが、実は、とっても大切で、時間がかかることなのだ、ということがわかってくる。
ね、だから、夏休みには、絵を描く宿題が出るのではないかしら。