
さて、そういう所に子どもたちが来ます。本当のことを言えば、僕は、子どものうちは、美術館に来なくてもいいぞ、と考えている人なのね。子どものときって、美術館に来る前に、やっておいたほうがいいこと、たくさんあるんじゃないの? 美術館に来て、なんだかわかんない現代美術ときちんと対峙できる大人になるために、子どものときにやっておくべきこと、それは何か。さ、それは何なのだ、答えなさい、と詰め寄る人がいたりするんだな、これが。
いろいろ答えることはできるけれど、誰か他人の答えを聞く前に、僕としてはまず、彼らとよく相談し、彼らをよく観察することを勧めたい。彼ら自身が身体全体で何を言っているのか。まずその辺から、僕たちは彼らと話を始めるべきなのではないか。そんな、子どものいいなりになっていたんでは話になりませんよ、という態度の大人もいるけれど、さて、問題はどちらにあるのかなぁ。