
子どもたちと一緒に、彼らを取り巻く私たちの国の社会の有り様を見ていて、いつも不思議に思うのは、子どもというのは大人とまるで別の生き物であるかのような、大人のものの言い方である。あたり前だと思うのだが、ものすごく大人びて見える人であっても、ちょっと前までは、絶対に子どもだった。あの時代があったので、または、あの時代を経てきたので、今のその人がそこにいるのだという視点から、子どもにまつわるさまざまな問題をながめまわしてみれば、子どもを取り巻く問題の相当の部分の解決の目安が立つように、楽観的な僕には、見える。ちょっと前の僕たち、そしてすぐ後の僕たちが連なって、そこに一緒にいるのだということを、いつも心にとめておきたいと思う。
さて、今年も、1月15日がすぎていった。成人の日。少し前に20歳だった僕は、あの頃何を考え、何をやり、何をしたいと思っていたのだろうか。1年に1回、大人全員が20歳のときの私を正直真剣に思い出す日として、成人の日は毎年やってくるのだということを、ここで確認してきたい。