
市内高校美術展を見る機会があった。こういうのをぶらっと、しかしいっしょうけんめい見るのって、忙しくて殺伐としてきたなぁと感じ始めたおじさんにはけっこうきく。
元気のいい美術には、何を見ているか、何を見たいのかが素直に出る。「おいおい、君はその歳で、本当にこういうの見たいわけ?。」とか、「ううむやっぱり、がんばって描いちゃってるやつが賞とったりしてるんだよなぁ。」とか、「おまえよう、せめて美術館の常設展ぐらいは見た方が良いんじゃないの。」とか、ま、好き勝手なことを心のなかで話ながら一巡りする。そうすると、「そうだったよな、俺も、こういうのくぐり抜けて、何とかやってきたんだったよな。」なんていうようなことをしみじみ思い出して、ほっと息をぬきながら「ま、いろいろあるけど、どうでもいいか。」とつぶやいていたりする。
こういうところこそが、若い人たちが、僕たちの回りにいてくれるってことの、けっこう大切な部分なんではないかと、僕は考えている。