平成5年8月28日

 このエッセーを読んでいる人に、「齋さんって休みの日にもいろいろな事してるみたいで、忙しそうですね。」と、ほめられているのだか笑われているのだかわからない言葉をかけられることがある。ううむ、本当のところはね、逆なの。休みの日には何もしたくないので、休日が忙しく過ぎて行ってしまうのよ、僕は。 休みになって時間ができて、まず、いろいろ一生懸命始めることって、実は、社会的な人間関係の修繕のような活動であることが多い。気になって、文句ばかり言っていた家の中のあそこの角を含めて、全部、気に入るまで掃除をするとか、ついでに洗濯もして、借りっぱなしだったおばあちゃんちのお皿を返しに行って、お う、そういえば、自然食品を売っているあの店にも寄って、クルミのビスケットを買って、おっと、そのためにはまず銀行によって、、、。ね、こういう作業で一日はあっという間に過ぎてゆく。けれど、こういう事をするために僕の時間を使うのは、僕のしたいことでは、本当は、無い! 僕は、何もしないでぼんやりしていたいのだ!
 今年の夏、僕の毎日の仕事はいつもと変わりなく忙しくすぎた。いつもと違ったのは、天気がすごく悪かったのと、1週間程、尿道結石で内科に入院していたことで、そのため休みの日の予定は延期に次ぐ延期で未定になり、そのほとんどを人間関係補修に使ってしまわざるをえなかったってことだ。これは、少し、まいる。
 休みの時間というものは、僕が僕のためにその時間を使うことができる時間のことで、その時間を充実して「呆然」とするために、忙しい毎日をやりくりしているのだということを、忘れないでいたい。忙しいとつい逆転してしまうんだよね、このあたりが、、、。