
追いつかれたら、抜かせればいいんだという、ごくあたりまえのことに気付いて以来、僕は、自分の「体を育てる」作業(だから、すなわち「体育」ね)が、なんだかすごく自由にできるような気がしてきて、それ以来、ほとんど競争しなくなってしまった。で、競争をしないスポーツを楽しむのって、やってみると実は、結構難しい。よほどセルフコントロールの切り替えがうまくいかないと、かえってストレスが溜まってしまうんだよな。
相手と競争しない分、自分との対話はシビアになって、ジョギングにしたって、泳ぎ続けるにしたって、ある時間のあいだじゅう、何を自分と対話するのかが、問われることになってくるんだな、これが。
僕は、始めると、1時間ぐらい続けて泳いだりしてしまったりするのだけれど、あえて言おう、問題は体力ではない。こういうことって、なにか考えることがあれば、あとは疲れないようにゆっくりやればいいわけで、結構、頭脳労働なんだと思う。僕にとって、体育をしないことは、脳みそが腐ってくることなんだなあと、腹のまわりの脂肪を見ながら、今、考えている。