この辺では一番高い丘を目指して、春の芽吹きのピンク色から初夏の黄緑に変わりかけている雑木林の中の踏み分け道を、子どもたちもいっしょに、先になり後になりしながら彼女と歩きました。

自然の中に行くと、僕たちは、なんだかいろんなことを知っていないとつまんないんではないかと思ってしまいます。花の名前とか、木の名前とか、鳴いている鳥の名前とか、雲の形から明日の天気は晴れだとか、それから、それにまつわるエコロジカルなさまざまな問題と、地球の行く末と・・・・・・・。
彼女と歩いていると、でもまぁ、そういう事は、まずはどうでもいいんだなと思えてきます。多分一番大雪なことは、その小さな花を見て、感嘆の声をあげられるかって事なんだな。古い大きな木を見て、立派だねと言えるかって事なんだな。身の周りのいろんな事を、興味深くみつめ、まずびっくりし感動する。どうもこの辺が、僕が、彼女から教えられ、そして彼女たちに伝えて行くあたりなんではないのかなぁ。
お母さんの言うことって、やっぱり、なかなか面白いね、いつ聞いても。