平成2年8月25日

川を、見つけちゃったのね、わりと近くの山の谷間に。で、行きましたよ、今年の夏休みは、その川に。
 一家揃っても、子どもたちとも、子どもとそのお友達とも、それにもちろん一人でも。いついっても、誰といっても、ほのぼのとするのね、そこにいって、水の流れている音を聞くと。楽しかったのではないし、面白かったのではないし、というより、楽しいことも、面白いことも、何もしないわけ、そこでは。だから、ほのぼの。川には、古いカーテンで作った日よけと、水中眼鏡を持って、お昼近いときには、固形燃料を使う小さなストーブと、アルミの食器セットも一緒に袋に詰めこんで、途中のスーパーマーケットで買い物をしながら、ゆるゆると移動していくわけね。あ、そうだ、下着を含む着替え一式というのも、忘れてはいけないものだった。ま、本当は無くてもなんとかなるけどね、これは。
 で、そこについて、日よけをセットしたら、もうあとはしばらくぼんやりしているわけ。すると、少し暑くなってくるので、子どもたちと一緒に、石を積んで、ちょっとした水たまりを作って、肩までひたるのね。気持ちが良かったら、そのままぶくぶくと頭まで沈んでしまって、水の流れに、しばらく流されてみるのもよい。もちろんこれは、普段のままの着衣にて行う、というのが正しい姿勢というものでありましょう。その時、水中眼鏡をかけていると、なんだかすごい世界をかいま見ることもできたりするけど、そんなことはしなくても、十分に満ちたりた気持ちにはなれます。あと、岸の岩の上から、できるだけ水しぶきをあげて、その水たまりにジャンプするってのも好きだな、僕は。
 何もしなくても、そこにいるとニコニコしてしまう所、僕んちには、今年の夏、一カ所、できたという報告。