
この人がまだ赤ちゃんだった頃、抱き上げるときゅっとしがみついてきたときの小さな手にこもった力の感じなんか思い出してしまったりすると、もう、たまりませんね。これをなんとかしてあげたいと思う、そういうあたりが、人間が人間を教育しようとする原点なのではないかしらと思いますね。
彼らの体を触りながら、僕の体も点検してみます。ううむ、なんだか最近いとおしんでいないよなぁ、自分の体・・・。僕の体も、こういうすてきな体だったんだよなぁということに思いいたると、普段酷使し続けている自分の体のことも、ふと我にかえって、いとおしんであげなくっちゃという気持ちになってきます。
自分の体をいとおしく大切にしていないと、どうも、他人の体だっていとおしく大切に思えなくなってしまうのではないかなぁと、僕は最近考えています。自分自身の体を愛し、いとおしく思うことから、自分以外の人や物とのお話が始るのではないかしら。
子どもの体に触りながら、僕は自分の体について思いを巡らせ、そして決心をして、布団から抜け出すのです。